日 時 平成22年6月12日(土)
場 所 関西学院大学
講 師 小谷眞一氏(関西学院大学教授)
偶然的な要素が加わり、未来を予測出来ない現象(事故、
宝くじ、寿命、災害・・・。)に数学がどうかかわっているかと
いうお話しでした。
たとえば、AとBが100円ずつ出して硬貨投げをし、表なら
ばAが1点、裏ならばBが1点獲得するゲームで、最初に10
点取った方が200円を受取ることにします。
ところがAが5点、Bが3点取った段階でゲームを中止した時、Aはいくらもらえるかという計算です。
まず今後5回続けて表が出る確率は「2分の1の5乗」で、次に6回の内5回表の出る確率、さらに7回の内5回表の出る確率、続いて8回の内5回表が出る確率・・・・・を計算し、それらの和がAの勝つ確率であるということで、この場合は「73%」となり、Aは146円もらうのが合理的と判断されました。
このように、予測出来ないことを計算するには平均的な確率を
計算すればよいとのことで、年齢別の平均余命から計算する生
命保険の死亡率や天体観測上の誤差等につきましてもこの考え
方でご教示をいただきました。
話しは変わりますが、数学の世界的な賞が、①ガウス賞、②
フィールズ賞、③アーベル賞がある由ですが、2006年に日本の
伊藤清博士が①を受賞したとのことでした。