仏と日本人 「播磨の寺院と修正会 (しゅしょうえ)」

平成22年6月11日(金) 夕方の部で実施
場所:県民会館
主催:兵庫講座 2010
講師:藤原 喜美子 (帝塚山学院大学非常勤講師)
 修正会は、正月に祈修する法会という意味で、古くから
緒大寺で営まれてきたものです。現在東大寺では、正月
7日に金銅大仏殿で、この悔過の法会を行っています。
 悔過とは、礼仏して罪過を懺悔することにより、「天下泰安」
「風雨順時」 「五穀成熟」 「万民快楽」等を祈願しました。さて播磨の寺院の「修正絵」も通常は、鬼が悪者です。しかし、八正寺や、書寫山圓教寺では鬼が(不動明王・毘沙門天)のかわりで、五穀豊穣をもたらし、災いを福と転じさせる神として尊崇されています。
 修正会が行われるようになると、この護法童子を「悪魔を追い春を呼ぶ神」として登場させました。以来今日にいたるまで、圓教寺の「鬼」は護法童子のことを指します。
 宝剣を握る青鬼赤鬼は、槌を背負い松明を翳し、鈴を鳴らして、四股を踏むように四方四維の大地を踏み締めるのですが、これは大地を浄めて五穀豊穣を祈る行為です。
 また、岡山のある町では、鬼の行列がありますがこれも(不動明王・毘沙門天)の成り代わりを表しているのかも知れません。