仏と日本人 「仏教の発展と多様な仏像の誕生」

平成22年7月2日(金) 夕方の部で実施
場所:県民会館
主催:兵庫講座 2010
講師:頼富 本宏 (種智院大学学長)
 「仏教」は歴史上の釈迦によって「仏教」が説かれ、ゴータマ
は「仏陀」になりましたが、80歳で涅槃に入った為、僧や信者
達は突然無仏の状態になってしまいました。そこで「仏」への
拡大解釈への要請が高まり、「時間的拡大」が成されます。
 そして僧達はゴータマは「仏教」を創唱したのではなく、あくまでそれを見出したに過ぎない。現在が在るのだから、当然過去が必ず在ると考え、過去仏として、「石仏石灯籠」を候補にしました。「石仏」は現世利益の他に死後の世界を迷う亡者を救済する功徳があるとされ、宗派を超えて信仰されていましたので、「石仏」を過去仏として登場させました。そして弥勒菩薩を未来仏として登場させました。この菩薩は過去の歴史の中で出現した「仏」ではなく、未来に現れる「仏様」で、その圧倒的な美しさは世界に誇れます。
 その頃大衆部系統は、大乗仏教興起の運動を起こします。また「般若経」「華厳経」「維魔経」「法華経」「大無量寿経」などもほぼ出来上がりました。
 そして最後に、新しいタイプの仏教として「密教」が誕生します。「密教」は主に「真言密教」と「天台密教」に分れます。「真言密教」は高野山金剛峰寺を総本山とし、空海が初めました。「仏」を信心し自らが「仏」になることや、人間に秘められている超能力の開発や念力が「真言密教」の本髄、極意としています。
 一方「天台密教」は比叡山延暦寺を総本山とし、最澄が「妙法蓮華経」を根本経典として初めました。方法は簸たすらお経を唱える形式です。
 話は変わりますが、管首相は弥勒菩薩のように日本に未来を創っていただきたいと思います。