仏と日本人 「再度山大龍寺・麻耶山天上寺」

平成22年7月30日(金) 夕方の部で実施
場所:県民会館
主催:兵庫講座 2010
講師:田辺 眞人 (園田学園女子大学名誉教授)
 大龍寺は再度山中の、中風除けの寺として知られています。
768年、和気清麻呂によって再度山山頂近くの、南斜面に
開かれたとされています。山号は空海が大輪田泊から唐に渡る
直前と帰国後の2度、当寺に参拝したことに由来します。奥の院
には空海作と伝われる「亀の岩」があることで知られています。また六甲山のハイキングコースになることもあり、登山家にも有名です。
 忉利天上寺は646年に考徳天皇の勅命により、インドの伝説的な高僧法道仙人が開創したと伝わっています。後に弘法大師が渡唐した際、梁の武帝自作の麻耶夫人尊像を持ち帰り、同寺に泰安したことから、この山を「麻耶山」と呼ぶそうになったそうです。最盛期には多くの塔頭、僧坊を抱えており、最も栄えた頃は三千の僧を擁する摂津地方第一の大寺だったとされています。
 今面影は少なくなりましたが、この付近は六甲山を中心にお寺が点在し、文明も栄えていたようです。