情熱に生きる女性のオペラ

日 時 平成22年9月5日(日)
場 所 神戸文化ホール
講 師 青島広志氏(東京芸術大学講師)
ゲスト 杉野麻美氏・水船桂太郎氏(二期会)
 ビゼー作曲のオペラ「カルメン」を教材に、そこにちりばめ
られたアリアの数々を解説していただきました。
 このオペラは、情熱的なジプシー娘・カルメンが若き兵士
ホセ(婚約者ミカエラがいる)を誘惑し、ホセも次第にカルメ
ンを愛するようになって、兵士を辞めて彼女の密輸団にまで入るも、カルメンは新しい恋人・エスカミーリョ(闘牛士)に心が移り、ついにホセがカルメンを刺殺していまうという悲劇です。
 前半を代表するアリアは、『恋はきままな小鳥・・・』と歌う「ハバネラ」で、カルメンの登場時に歌われ、最初は杉野さんが、続いて受講者全員が合唱するという趣向でした。
 後半はカルメンが酒場で踊りながら歌う軽快な「カスタネットの踊り」が紹介され、次に何度占っても死のカードが出てくる「カルタの歌」、そして最後はフィナーレの殺害の二重唱「お前か、俺だ!」で締めくくられました。
 また青島先生もピアノで「序曲」や「間奏曲」を弾いてくださいましたが、あちこちにオペラの未来を暗示するメロディが挿入されており、これを「支配動機」というのだそうです。
 オペラ歌手は、まずオペラ発祥の地であるイタリア語を習い、ついでモーツアルトに代表されるドイツオペラを歌うためにドイツ語を、そしてこの「カルメン」を歌うべく、フランス語を勉強するのが常だとか。
 (「カルメン」はスペインが舞台ですが、作曲家のビゼーはフランス人)