日 時 平成22年9月9日(木)
場 所 なるお文化ホール
講 師 宮下 盛氏(近畿大学教授)
”クロマグロを食卓に”、を合言葉に完全養殖を目ざして苦節
32年にしてこれを成し遂げた道程のお話しでした。
漁師の間では、マグロの養殖は不可能と言われていましたが
近畿大学では初代総長・世耕弘一氏の『海を耕せ』の言葉を胸
に「養殖技術の開発」「親魚の養成」「エサの改善」等々を研究
してきたそうです。
当初 幼魚の飼い付けを行い養殖技術の開発に努めましたが、活け込み後に全滅し、続いて「自然産卵→稚魚」まではなんとかこぎつけたのですが、体長が5〜10cm位になるとなぜか死んでしまうとのことで、原因を調査したところイケスへの衝突による骨折であることが判明しました。
結局イケスの大きさを直径6m→30mにすることによって、生き残り率をアップさせたとのこと。
マグロは、本来広い太平洋等を住み家にしており、エサが少ない
ため専らハンティングによって生きているので、推進力は抜群だが
制御能力が未発達で、イケスに思いっきり衝突して命を落とすの
だとか。
いづれにしろ長い苦労の結果、完全養殖に成功したので、今後
はこれを産業ベースにまで高めたいとのことでした。