日 時 平成22年10月1日(金)
場 所 芦屋公民館
講 師 森岡秀人氏(芦屋教育委員会)
弥生時代に構築されたと思われる高地性集落の謎解きの第一歩
は「汗を流して山登りから」と主張される森岡氏のお話しでした。
通常 交通や通信がほとんどなかった大昔では、人々はごく限ら
れた範囲で、しかも川下等の水際に集落を造って、自給自足で住ん
でいたのではと思っていましたが、芦屋市では六甲山の中腹に会下
山遺跡を発掘するにおよび、その出土品からこの辺の高地にも集落が存在していたことが明らかになりました。
ただこの高地性集落はミドルレンジ的であって、現行では遺跡と歴史の中間に位置する由。
因みに「ミドルレンジ・セオリー」とは、静的な考古資料と動的な人間活動、文化、歴史等を橋渡しする理論であるとのことでした。
なお出土した土器や鉄器を分析しますと、この地域では存在し
ない原材料も含まれている由にて、これは物々交換等により、
広く交易が行われていたことを物語っています。
すなわち、高地性集落ではマーケットがあって、物の仕入れや
生産等が行われていたことがうかがえますが、これはまだ仮説
であり、真の歴史には到達していないようです。
(右の写真は、当時の鍛冶工房跡です。)