21世紀の宇宙 「太陽系外惑星を探す」

平成22年10月1日 (金)夕方の部で実施
場所:県民会館
主催:兵庫講座 2010
講師:伊藤 洋一 (神戸大学大学院理学研究科 准教授)
 伊藤講師は”太陽系外惑星”の研究を専門に行っています。
主な観測地は、岡山県の観測所とハワイのパロマ山観測所に
なります。キリスト教でも、「太陽系以外に惑星はあるの?」と
大問題になり、紀元前300年,ギリシャの哲学者(エピクロス)が
{世界は多くあるが、他の物とは類似していない}と、地球は唯一のものであると断定しました。近年、世界中の研究者達が”UFO”探しを懸命に行いますが、20世紀までは太陽系以外に惑星を発見することは不可能でした。しかし近年、コンピューターの発達により、1995年初めて発見されました。そして、現在まで400個以上発見されています。直近では、地球から20光年の距離にある恒星(グリーゼ581)の周りに、新たに2つの惑星が発見されました。そのうちの1つが、液体と大気を持つことが可能な環境にあり、これまでに見つかっている”太陽系外惑星”のうちで、最も生命の生存に適したものであることが分りました。その計測方法は(トランジット法)と呼ばれ、地球から見て惑星が恒星の前を横切る際に、恒星の光が暗くなることを利用して惑星を検出します。天文学は日々進化しています。話は変わりますが、パロマ山天文台にはアメリカが約10Mの天文台を最近造り、スタッフも充実して観測を行っています。伊藤講師は現在1名で頑張っていますが、蓮舫議員の事業仕分けで予算をカットされるのが一番の悩みと訴えていました。