近世地誌に見る

日 時 平成22年10月2日(土)
場 所 宝塚東公民館
講 師 田辺眞人氏(園田学園女子大学名誉教授)
 地誌とは国の地理や地名の由来、生産物やその地に伝わる
風習等を纏めたもので,その編集や描写等についてご教示いた
だきました。
 日本最古の地誌は、大化改新で中大兄皇子(天智天皇)が
中臣(藤原)鎌足らと計って蘇我大臣家を滅ぼした後、各国に
各々前述した内容を報告するよう命じたもので、これを現在では「風土記」と呼ばれています。
 また中世におきましては、世は戦国時代であって自国内の地理等は軍事機密の最たるものであったため、公にはされておりません。
 一方 近代では明治10年頃に新政府の命令で「皇国地誌」なるものが編纂された由ですが、関東大震災で焼失してしまったそうです。

そこで今回は近世(江戸時代)の地誌の紹介で、特に「摂津志」
と「摂津名所図会(右の写真)」につきましてご説明を受けました
 すなわち、西明寺瀧・仲満塚・行基岩・紫雲山中山寺・蓬莱山
清澄寺・売布神社・小濱駅・平林寺・等々で、宝塚の項では「比
塚の許に於て物を拾ふ者必幸あり。是を以て、宝塚となずくるの
所伝たり。」とありました。