日 時 平成22年10月29日(金)
場 所 芦屋公民館
講 師 難波洋三氏(奈良文化財研究所)
銅鐸とは弥生時代の青銅器で、用途は宗教的儀式に関連する
ものであったが、その銅鐸が六甲山の麓(本山・桜ヶ丘・打出・・)
に数多く出土していることに鑑み、詳しいご説明をいただきました。
銅鐸の大きさは20㎝位から1m超のものまで様々で、紋様は
流水文と袈裟襷文に分けられ、形式は古い順に 菱環鈕式→
外縁鈕式→扁平鈕式→突線鈕式があります。
また仕分けとしましては、「聞く銅鐸(音を鳴らして使用したもの・・・小共同体:村単位で使用)」と「見る銅鐸(見上げるような大きなもの・・・大共同体:地方単位で使用)」とがある由にて、平時は集落(地上)で保管・管理され、有事に際して侵してくる邪気・悪霊に対抗するため、重要な境界に埋納される運命にあった呪器でもあったようです。
六甲山麓に出土した銅鐸の特徴は、①比較的狭い地域に出土、
②扁平鈕式以前のもの、③特定の銅鐸群に偏っていない、④大き
さや作りの精粗も多様等で、おそらく村の統合や新しい国の発足
により、いろいろな所から集まってきたものと推測されています。
もっともマイノリティとしましては、ひとつの工房で作られ、それぞ
れの地方に合ったものが配布されたとの説もあるようです。