21世紀の宇宙 「元素の起源と物質の進化」

平成22年10月29日 (金) 夕方の部で実施
場所:県民会館
主催:兵庫講座 2010
講師:定金 晃三 (大阪教育大学教育学部 教授)
 我々が住んでいる宇宙の化学組成の特徴として、物質の99%
は水素とヘリウムであります。炭素・窒素・酸素は結構多く、その
割合は水素原子1000個に一個位存在します。また、鉄は水素
原子約3000個に一個位存在しています。最近話題の金やレア・
アースなど重い元素は極端に少なく、水素原子1000個に一個ずつ程度しか存在しない元素になります。そして、原子力発電所に欠かせないウランも極端に少ない資源の代表格です。宇宙に存在する元素の誕生秘話としては、次のように考えられています。
 (1) 宇宙にある炭素より重い原子はすべて、星の中心部で形成された物である。
 (2) 鉄より重い元素は、星の一生の末期に中性子捕獲過程で出来た。
 (3) 非常に重い元素(ウラニウム)などは、超新星爆発の中で一瞬で形成された。
 (4) 地球上に存在する物質は全て、太陽系形成以前(46億年以上昔)にできたそうです。
中世ヨーロッパでは現代のように普通の金属は、金にならないという知識はまだ無く、中世以降科学的手段を用いて非金属から金を精錬しようと試みましたが尽く失敗しました。錬金術の過程で硫酸・硝酸・塩酸などの多くの科学薬品が発見され、実験道具も発明されその知識は現在の科学にも引き継がれています。