21世紀の宇宙 「宇宙と物質の起源」

平成22年11月19日(金) 夕方の部で実施
場所:県民会館
主催:兵庫講座 2010
講師:福江 純(大阪教育大学教育学部 教授)
 宇宙を最初に体系的に考えたのは、中国です。
紀元前2世紀、「淮南子(えなんじ)」に曰く: 宇宙=
(宇=空間)+(宙=時間)。世界=(世=時間)+
(界=空間)。宇宙=世界=時空と考えられていました。
 現在の宇宙は”ビッグ・バン”により、誕生しました。そして、現在は遠方の銀河程「ハッブルの法則」に従って遠ざかっている観測事実があります。
 また、物質を構成する基本的な粒子が原子であり、その原子が規則正しく並んでいるのが結晶になります。結晶の形成には、溶液の温度や濃度が密接に関係しますので、重力のある地上では高い品質の結晶は出来ません。なぜなら、熱い物は上へ、冷たい物は下へ移動する「対流」や重い物が下に沈む「沈降」、軽い物が上に浮かぶ「浮力」があって、結晶の周りの温度や濃度が乱れます。
 また現在、地球に存在する物質は星のなかで、一瞬のうちに形成されたと考えられています。
 今、宇宙科学研究所の「きぼう」では、このように、地上では出来ない新素材の創製を目指して各種実験が行われています。
 そして、この宇宙は丁度いい、万有引力、電磁力、強い力、弱い力、が偶然に一致したことにより保たれています。
 この”幸運な宇宙”は偶然、確立的にはありえません、もっと地球を大事にしたいものです。