明治の偉人 「秋山 好古」

平成22年12月7日(火) 午後の部で実施
場所:明石市男女共同参画センター
主催:(財)兵庫県芸術文化協会
講師:茨木 一成氏(日本歴史学会会員)
 故司馬良太郎さんの小説「坂の上の雲」で知られる明治期の
軍人です。12月5日から「坂の上の雲」第2部で主人公で放送
されています。このドラマは司馬遼太郎の2000万部を越える
ベストセラーが原作になっています。海軍参謀として日露戦争
に挑んだ秋山真之。陸軍で騎兵隊を創設し、のちに”騎兵隊の父”と呼ばれる秋山 好古。俳人とし日本文学に大きな足跡を残す正岡子規の3人ですが、子規が先に病気で亡くなってしまいます。
 丁度このころ、南下政策を推し進めるロシアの情報を得るため、真之は旅順の要塞に潜入します。好古は招待されてロシア軍の演習を見学するが、ロシア軍の強大な軍事力に圧倒されてしまいます。しかし、ロシア軍との衝突は免れないと考えた日本は、アジアでのロシアの勢力拡大を望んでいない、イギリスと日英同盟を結びました。
 この頃、羸弱(るいじゃく)な基盤しか持たない近代国家の日本を支えるために、青年達が自己と国家を同一視、自らが国家の一分野を担う気概を持って、各々の学問や専門事象に取り組む明治時期特有の人間像があります。
 封建の世から目覚めた日本が、そこに登り詰めていけばやがて手が届くはずと思い、憧れた、欧米的近代国家を「坂の上の雲」に例えた、切なさと憧憬が思いだされます。