税制改正の動向

日 時 平成23年3月23日(水)
場 所 池田泉州銀行
講 師 武地義治氏(税理士)
 民主党政権は、税制を社会保障費との一体改革と位置付け、
今年も改正に着手いたしました。
 もっとも先日発生しました東日本大震災の影響により、法案が
すんなり通るか否かは微妙ですが、今回は相続税を例に挙げて
考察していただきました。
 まず昨年度ですが、「小規模宅地等の課税の特例」を見直し、居住用にしろ、事業用にしろ非継続への軽減措置が廃止されました。
 それを念頭において今年度の改正案を見てみますと、相続税の基礎控除を大幅に引下げようとしています。(5000万円+1000万円×法定相続人 → 3000万円+600万円×法定相続人)
 これですと配偶者と子供2人の標準家族の場合、今までなら8000万円までが無税でしたが、今後はこれが4800万円に引き下げられ、ちょっとした家と少々の現預金がある人は全てと言ってよいほど、課税対象になってしまいます。
 案のとおり決まるかどうかは分りませんが、昨年度の「小規模宅地等の課税の特例」の改正と合わせて、一般庶民も相続税対策をしなければならなくなりそうです。
 たとえばこまめに、無税の範囲内での子や孫への長期的な贈与や、法定相続人を増やすための養子縁組等、また遊休不動産を少しでもお持ちの方は、事業用(不動産貸付)にシフトする等の対策を考えなければならず、どうも財源不足でなりふりかまわないように見えてきましたがどうでしょうか。