日 時 平成23年4月30日(土)
場 所 関西学院大学
講 師 永田雄次郎氏(関西学院大学教授)
スポーツを芸術側から考えるというセミナーがありました。
たしかにスポーツの高度な技術に基づくプレーは人々を感動
させ、ゲーム自体も「筋書きのないドラマ」とされています。
たとえば「イチローのバッティングは芸術的だ。」と言われます
が、芸術的とは「芸術に似ている・あざやかで美しい等々」で、
芸術そのものではありません。
またスポーツには、ルールや優勝劣敗の思想があり、芸術とイコールでもないのです。
北京オリンピックで、男子400mリレーにおいて銅メダルを獲得した時も、アメリカやイギリス等の強敵が次々と脱落していった幸運はありましたが、日本独特の高い技術(バトンタッチ)が貢献し、ドラスチックな美しさを演出したのも記憶に新しいところです。
一方 かなり芸術を意識したスポーツもあります。
たとえば、フィギュアスケート(新体操、シンクロも)が
それで、採点の基準(勝負)は演技要素(エレメンツ)と
構成要素(コンポーネンツ)で争われ、特に後者の内容
は「演技力、振り付け、曲の解釈等」と正に芸術です。
逆に芸術においても「スポーティ」と表現されることが
あり、両者は密接な関係にあると言えそうです。