関が原の人々 「小西 行長」

平成23年5月10日(火)
場所:明石市男女共同参画センター
主催:(財)兵庫県芸術文化協会
講師:茨城一成氏
 小西行長は商家の出身で主君の命で戦うことや、三成の
ように「大義のために敵を打つ」ことなどできません。堺で
鉄砲を作って販売したり、バテレンとの交易で「コーヒー」を
輸入して販売し莫大な利益を上げました。自分の利が見え
れば人の欲も分かり、世の中の動きが大局的に見えてきます。自分の領地をもらうことしか頭に無い根っこからの武士に対して、水軍の司令官であった行長は、師団長クラスの将に必要な戦術、戦略能力をバランス良く持っていたようです。
 朝鮮進行においては、清正と共に先鋒として快進撃を見せます。純粋に秀吉に忠誠心を持ち、武功に燃える清正は戦いを求めて戦い、その勇猛さをこれでもかと発揮します。それに比べて行長のほうは、最初からこの朝鮮進行というキャンペーンの限界を感じて、うまいことどこかで講和に持って行くことを考えながら戦っていたように見えます。
 行長はキリシタンになりましたが、キリスト教は実生活で純粋でない人や、悪人までもそのまま包みこんでしまうような、懐の深さみたいなものを持っているのかもしれません。だから戦国時代にあれだけ広まったようです。
 三成のように、圧倒的な個性を発揮した人も凄いと思いますが、仕事で無理をしないで、家族サービスや自分の趣味を持った人が戦国時代にいたのには驚きました。