〜「平穏死」を考える〜

日時 平成23年5月12日(木)
場所 西宮市プレラホール
講師 石飛 幸三氏(特養 芦花ホーム医師)
 本日のテーマ 〜口から食べられなくなったらどうしますか〜
と題して特別養老老人ホームの医師の立場を通じて話された。
我が国は5人に1人が65才以上の高齢社会における老衰末期医療について、延命医療をすればするほど本人は満足なのか? その最たる「胃瘻」は国民の80%の人は望まないのに現実は80%の人が胃瘻を受けている結果、この処置を全国でおよそ30万人がつけていて世界でも類を見ない数である。 
そもそも胃瘻は先天的に問題がある人のために開発された処置が、老衰により食べれなくなれば胃瘻処置して老人施設に送り込まれる。
その結果施設から施設へと、たらい回しにされているのが現状です。それでは、食べさせないから死ぬのではなく、死ぬのだから食べないのだ、それが自然の摂理で本人の体が正直に伝えている。
そもそも病院の医者は「平穏死」を知らないし、また胃瘻を付けた後どうなるかも知らなさすぎるとのこと。
今日の社会は、家族、医師、施設、施設職員の皆で責任回避しているのが問題とのことでした。
老衰から食べられなくなるのは自然なこと無用な延命は本人は満足していないことを充分考えよう。
<注記> 胃瘻とは・・・主に経口摂取困難な患者に対し、人為的に皮膚と胃に瘻孔(ろうこう)作成、チューブ留置し、水分・栄養を流入させるための処置です。