東日本大震災と関西の経済

日 時 平成23年5月13日(金)
場 所 夙川公民館
講 師 藤井洋一氏(神戸新聞社)
 関西から遠く離れた今回の東日本大震災ですが、実はこれが
関西経済にも少なからず影響を与えています。
 まず阪神大震災との差異ですが、その規模が広範囲(東北〜
関東)であることや、津波そして原発事故をも誘発していることが
特徴です。
 そのため被害額も阪神大震災の2倍(20兆円)以上になるであろうとのこと。
 もっとも経済規模でみますと、岩手・宮城・福島の3県で日本経済の4%で、これは兵庫県1県と同じ数字だそうです。
 しかし東北は農林水産がメインで、たとえばお米の生産は福島4位・宮城6位・岩手10位といづれも上位を占め、また自動車・電子機器分野でも電子部品の13%、情報通信機械の15%を担っている由にて、これがトヨタやキャノン等の大メーカーの足を引っ張っています。
 関西では、①風評等による消費不振、②原発事故による外国人観光客の激減、③原料の調達難による企業の生産減少等々が起こっています。
 これらを早期に解決するためには、①復興事業の推進、②被災地支援の強化、③エネルギー対策等を強力に推し進めていく必要があります。
 たしかに復興財源の確保も問題ですが、増税か国債発行かの二者択一ではなく、国民が「なるほど」と納得する施策を政治が打ち出せば、必ずや皆んな協力はおしまないと思います。