日 時 平成23年6月8日(水)
場 所 池田泉州銀行講堂
講 師 伊井春樹氏(逸翁美術館長)
源氏物語には多数の女性が登場しますが、中でも光源氏が最も
愛した紫上について、出会いから逝去までをお話しいただきました。
光源氏は桐壺帝と桐壺更衣の間に生れた帝の次男ですが、母が
身分の低い人であったため、将来天皇になる可能性もなく、源氏性
をもらって臣下に下ります。
光源氏とは、光り輝くような若宮という意味で、名は不詳です
その光源氏が18才の時に病を得て北山に加持祈祷に出かけ、僧坊で当時10才の美少女(若紫、後の紫上)を見かけ、かつて愛した藤壺に似ていることから二条院に迎えます。(若紫は藤壺の姪)
そして正妻の葵上が没すると紫上を妻としますが、朱雀帝(兄)の皇女・女三宮と政略結婚することになり、紫上は住いもはなれに移されてもんもんとした日々を過ごすことになります。
結局 紫上は病状が悪化して43才にしてこの世を去り、
光源氏は悲嘆にくれて喪明けには身辺を整理して出家
の準備をします。
紫上は病床で死を前にして、「おくと見る ほどぞはか
なき ともすれば 風に乱るる 萩のうは露」と、はかな
き人生を詠んでいます。