暮らしに息づく京の祭り

日 時 平成23年7月5日(火)
場 所 池田泉州銀行講堂
講 師 岩上 力氏(儀式作法研究会代表)
 古都京都は、桓武天皇が794年に平安遷都して以来、怨霊に
悩まされ、風水害にみまわれ、疫病に苦しめられ、そして戦乱に
巻き込まれる等して、人々は「恐れ」をいだきながら暮らしてきま
した。
 だから彼らにはコミュニケーションが必要で、そのため心をひと
つにして「祭り」を生み出し、その祭りを通じて共同体(仲間)を形成していったのです。
 春には「五穀豊穣祈願」を、夏には「疫病退散祈願」を、そして秋には「五穀豊穣感謝」のために祭りを行いました。
 折しも夏真っ盛りで、京都では祇園祭が始まりました。
 この祭りの起源は9世紀の「御霊会」にありますが、1467年に起きた応仁の乱(足利将軍家の後継者争い、細川勝元と山名宗全の二大勢力の激突)で一時中断されましたものの、1500年頃から復興されて現在のような形になった由にて、実に500年余の歴史・伝統があるとのことでした。
 祇園祭は華やかさもさることながら、その影に隠れている見どころも見逃せません。
 たとえば、釘を使用せず縄のみで組み立てる山鉾、巡行にあたって信号を折りたたむ作業、巡行順を決める(8基以外)くじ改めの行事等々・・・をご存じだったでしょうか。