日 時 平成23年8月19日(金)
場 所 宝塚西公民館
講 師 辻 弘氏(兵庫教育大学名誉教授)
中世(14世紀初頭頃)のイタリアでは、フィレンツェや
シエナ等の都市において、政治的に安定し、経済的にも
拡張傾向にあったので、おおいに芸術が発展しました。
後期ゴシック時代を代表する絵画としましてはアッシジの
聖フランチェスコ聖堂のジォットの「小鳥に説教」があります
ジォットは元々羊飼いの息子でしたが、岩に描いた絵が評価され画家の道を歩んだ異色の人物です。
初期ルネサンス(1400年頃)に入りますと、フィレンツェ人は前述のジォットの時代に着手された芸術的偉業を完成させようといたします。
彫刻部門では、「マグダラのマリア」(大聖堂美術館)のドナテッロやサン・ジョヴァンニ洗礼堂の「天国の門」(写真)の製作者ギベロッティが現れます。
また建築部門におきましては、何と言っても 花の聖母寺(サンタマリア・デル・フィオーレ)のクーポラを設計したブルネレスキーがあげられます。
そして絵画では、メディチ家の結婚式のために描いたとされるボッチィチェリの「春」や「ヴェーナスの誕生」(ウフィッチ美術館)、さらに高僧で画家のフラ・アンジェリコの「受胎告知」(サン・マルコ修道院)が世に出てきて、盛期ルネサンス(ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ・・・)へと継承されていきます。