美を語る 「中国の釉紅」

平成23年10月21日 (金)
場所:兵庫県民会館
講師:京都市立芸術大学 美術学部 伊藤 徹夫様
 中国の土器ができたのが、約9000年前で、中国では
陶器と磁器の二つに分類され、焼成温度が1000度以下の
焼き物を陶器、1000度より高い温度で焼いたものを磁器と
呼ぶそうです。土器とそれ以外の焼き物は粘土の質が異なる
ため土器から陶器、磁器への発展はないそうです。中国の
あかい「陶磁器」のイメージは牛、鶏の血液で、20ヶ所ほど古い窯元はありますが、最初に銅で紅を発色したのは、長沙窯が初めて成功したそうです。 
①上薬 (全体にかかった釉薬が)あかい ②釉下彩(下絵付)があかい ③ 釉上彩(上絵付)があかいそうです。釉紅は北宋(960〜1127)ごろから本格的に始まり、元(1279〜1363)、そして明(1368〜1644)のときには技術は確立され特に「景徳鎮窯」では官窯で釉紅磁器が量産されたそうです。窯の焼き方として“朗窯紅、宝石紅、牛血紅、桃花紅”の四種類があるそうです。
陶磁器の母なる都、「景徳鎮」での磁気製作は、官窯(かんよう)が約1000年前に開窯してから発展しました。中国の磁気は、東は韓国を経て日本に、西はシルクロードや海路を経てヨーロッパに広がっていきました。 しかし西洋も日本も「お皿すべてあか」という考え方は受け入れがたく、改善により様々な磁器が生まれたのはご存知のとおりです。