東日本大震災を踏まえた津波防災

日 時 平成23年10月26日(水)
場 所 人と防災未来センター
講 師 奥村与志氏(防災未来センター主任研究員)
 東日本大震災の発生後、政府の宮城県庁内現地本部に参加した
半年間の経験より今世紀中に発生が確実視されている「東海・東南
海・南海地震」対策に向けて色々と考え方を改めなければならない
状況が生み出された由です。
 先日兵庫県が津波の被害想定を従来の高さから暫定2倍と発表
したように、今回の大震災は自然災害に備える従来の防災想定に対する考え方が揺らぐような大きな影響を与えた。 「東海・東南海・南海地震」に現在の防災想定対策でよいのかの宿題を与えられたとのことでした。 東日本大震災の想定と実際のギャップ、津波の高さ、浸水範囲、断層面上のスベリ分布等々、地震発生時の南三陸町と野田町の事例説明があった。 複数都道府県型巨大災害になりその特殊性として、①対応限界・応援限界、②利害対立、③対応方針の調整混乱、④資源調達・配分混乱、⑤課題が具体化しない・・・等々の問題があったとのこと。 これからの日本の防災として、①数百/年をいかに維持するか(土木構造物の老朽化・技術力の低下)、②数百/年をいかにゼロにするか(公による防災の限界・国民主導の防災)、③巨大災害による被害の軽減(現行では太刀打ちできない・経験主義の限界)等の説明があった。 またこれからの防災・減災(スーパー広域災害)には、①都道府県単独の災害を前提とした防災体制の見直し、②巨大災害の特徴把握、③市町村等の防災力強化等の説明も併せてなされた。