日 時 平成23年12月10日(土)
場 所 大手前大学
講 師 以倉紘平氏(詩人)
表題の人とは、「平家物語」のヒロイン・建礼門院(平徳子)
を指したものです。
「平家物語」は平家一門のみならず、この戦で命を落とした
源氏の兵士や一般の人々をも含めたレクイエムです。
冒頭に出てくる祇園精舎は1万9千坪の敷地を有し、16の
寺院と72の高塔、3600の僧坊と500の楼閣があったと証されています。
その祇園精舎の西方に無常堂があり、『諸行無常・是生滅法・生滅滅已・寂滅為楽』を説いていたとか。
したがって『諸行無常(この世ははかないもの)』は、西方浄土の『寂滅為楽』につながります。
建礼門院は、父・平清盛(病死)、母・平時子(入水自殺)、夫・高倉上皇(病死)、子・安徳天皇(入水自殺)、兄弟他平家一門(戦死や入水自殺等)をなくし、本来なら気が狂ってもおかしくない状態でしたが、彼女は一門の供養をしながら戦後もけなげに生きて行きました。
これは母・時子の遺言 「いかにもしてながらへて、主上(安徳天皇)の後世をとぶらひまいらせ、我等(平家一門)が後世をもたすけ給へ。」によるもので、その遺言どおり生をまっとういたしました。
保元・平治の乱から上昇気流に乗った平家の栄華も、終わってみればたったの25年間の出来事で、まさに「春の夜の夢のごとし」でした。