日 時 平成23年12月26日(月)
場 所 フレミラ宝塚
講 師 山 泰幸氏(関西学院准教授)
昔から日本に伝わっている「お話し」には、昔話の他に民話・
伝説・神話などと称するものがあり、各々その内容が微妙に異
なるようです。
民話とは、作者のいない口承の物語であり、伝説とは、いつ・
どこの話しかが明示されており、物的証拠もともなっているもの
だそうです。 また神話とは、文字を持たなかった社会での口伝えで、成り立ちや起源の話しである由にて、本題の昔話とは、時代や場所・主人公に固有名詞がなく、物語も本当か否かも不明なものをいうとのことでした。
さてその昔話ですが、筋書きはほぼパターン化されたストーリーが展開されるとかで、その特徴は人間生活・人生・願望等が表現されており、困難を克服して幸福に到達するものがほとんどだそうです。
なお内容的には、婚姻を主題とするものと富を獲得するものに二分され、物語の始まりは決まって不足状態からスタートするというものです。
また昔話の魅力とは、基本的な幸福観や幸福を得る人の人物像の提示であり、人間の心を映す鏡である点ですが、何よりも子孫の幸福を願う気持ちが込められたものであると言えるのではないでしょうか。
昔話を学ぶことは、人間の幸福がどこにあるのか、その道筋を学ぶことでもあるようです。