日 時 平成24年2月3日(金)
場 所 宝塚東公民館
講 師 吉村 稠氏(園田学園女子大学名誉教授)
3・11(東日本大震災)が起こる40年以上前に「三陸海岸
大津波」という本を書かれた作家がいました。吉村 昭氏です。
氏は生前、毎夏三陸海岸の田野畑村へ家族旅行するの
が習わしで、断崖美につつまれた小島で漁師鍋を楽しんだとか。
それだけ現地に密着していたため、その地形等から地震や
津波の災害に、早くから関心を寄せていたようです。
前述の著書で、貞観11年(西暦869年)の大地震から明治29年の大地震までの主な災害を調べられていますが、なんと三陸沿岸は5〜10年毎に大きな被害を受けていました。
それでも地元の人々は、ここに住むことに固守しています。
それは、ここの海が多くの恵みを与えてくれるところであることを知っているからです。
氏は警告として、「気象庁等関係機関は、この種の世界の情報を出来るだけ正確に、出来るだけ早く伝えるべき。」としており、これは地球の反対側で起こった昭和35年のチリ地震で、津波による大きな被害を受けたことからも当然と思われます。
地震や津波は自然現象であり、今後も果てしなく反復されるであろうことから、地元では海(=生活)を守るために災害に対する認識と防止施設にさらに力を注いでいくことでしょう。