日 時 平成25年5月8日(水)
場 所 西宮郷土資料館
講 師 衛藤彩子氏(郷土資料館学芸員)
江戸時代の大庄屋(庄屋を束ねた、現市役所の機能あり)の
生活を、上瓦林村(尼崎藩内、現甲子園口の近く)の岡本家に
伝わる日記から読み解くお話しでした。
その日記とは、岡本宇兵衛の①「覚日記」、②「数歳万覚日記
帳Ⅰ」、③「数歳万覚日記帳Ⅱ」のことです。
①は、宇兵衛が大庄屋に就任した直後から書き始めたもので、大庄屋としての業務が中心です。
②は、在任中の業務内容の他に、退任後の日常が記録されています。
③は、死去の直前まで書かれて、その後も養子(子供は女子ばかりのため、長女に婿養子迎えている)の市兵衛が書き継いでいます。
著者の宇兵衛は、1702年(元禄15年・・・赤穂浪士討ち入りの年)に生まれ、26才で庄屋に、42才で大庄屋に就任しており、江戸時代でも最も華やいだ元禄の世を経験した人です。
前述の各日記の内容は多岐にわたり、家庭や家族のこと・子供の成長過程・岡本家や村の生活・家の普請や氏神のこと・冠婚葬祭等から農業や食事のことに至るまでが記載されています。
現在 西宮市立郷土資料館(西宮市川添町)で、これらの資料が展示されており、元禄時代の村の生活を垣間見ることが出来ます。