若き日の大伴家持

日 時 平成25年5月11日(土)
場 所 大社公民館
講 師 山内英正氏(甲陽学院高校教諭)
 大伴家持を抜きにして万葉集は語れません。
 なぜなら万葉集の編纂に深くかかわっていたからですが、ただ
家持自身は晩年罪を問われて財産を没収されたりもしています。
 また歴史的背景としましては、聖武天皇の即位・長屋王の変・
藤原広嗣の乱・久邇京遷都・・・がありました。
 家持は父・旅人の後を継いで若くして大伴家の棟梁となりますが、万葉集にもその若き家持の歌が何種か取り上げられています。
 たとえば後の正妻となる坂上家の大孃(叔母の長女)へ贈った歌に・・・
「我がやどに 蒔きしなでしこ いつしかも 花に咲きなむ なそへつつ見む」(私の家の庭に蒔いたなでしこはいつになったら咲くのだろうか、あなたになぞらえて見たいものだ。)があります。
 また久邇京時代には・・・
 「今造る 久邇の都 山川の さやけき見れば うべ知らすらし」(今建造中のこの都の山や川をみれば、そのさわやかな雰囲気にもっともなことだと思う)と詠んでいます。
 ただ家持が歌人として黄金時代を迎えるのは、その後越中(現富山県高岡市)国守として赴任した頃ですが、その頃の歌の紹介は次回に譲ることにいたします。