日 時 平成25年5月20日(月)
場 所 園田学園女子大学
講 師 久下隆史氏(園田学園女子大学講師)
お正月には各地でいろいろな行事が催されます。
特に日本は農耕社会が長く続いたため、行事や祭りの目的には
五穀豊穣を祈願するものが多いようです。
そのひとつに「ハナフリ」というお祭りが、神戸市西区や垂水区、
加東市、小野市、加西市、篠山市、三田市・・・等に若干かたちを
変えて分布しているとのことです。
この「ハナ」とはサカキやシキミのことを指し、これを神殿や床や壁または人を静かに、または激しく打ったりするため「ハナフリ」なる名称が生まれたのだそうです。
たとえば神戸市西区の場合、人々は4本のサカキにハゼの木をフジヅルで縛りつけたものを持って集まり、これに寺の住職が導師となって読経して水をふります。
その後全員で般若心経を3回唱え、導師が「錫杖経」を読唱して錫杖を振ると、長老が「ハナふれよう」といい、一同は激しくハナで板をたたき、お互いのハナをぶっつけあいます。
これによりサカキの葉がたくさん落ちるほど五穀豊穣になるということだそうです。
その他北摂では農耕に関する儀礼として「ホナガ(穂が長いの意?)」というのがあり、1月2日か4日の仕事始めに行うところがあるのだとか。