高齢者終末期のあり方

日 時 平成25年6月6日(木)
場 所 宝塚医療会館
講 師 石飛幸三氏(特別養護老人ホーム医師)
 講師は8年前に病院から特養に転職され、高齢者の終末期に
ついて、医療の立場からと、介護の立場からの両方を体験され
た数少ない医師です。
 厚生労働省のうたい文句は、「元気で、いつまでも。」らしいで
すが、人間に限らず動物であれ植物であれ、生あるものは必ず
死を迎えるわけで、そのようなことは永遠にはありえません。
 特養入所者の実態はおおむね、高齢化→認知症→徘徊→骨折→肺炎→誤嚥→胃瘻・・・の道を辿るのだそうですが、このような道程を高齢者は望んでいたのでしょうか。
 科学技術が進歩したことにより、「呼吸=人工呼吸」「腎臓=人工透析」「胃=人工的栄養法(胃瘻)」等々があり、つまるところ時には意識のないまま生き続けるということも起こり得ます。
 かと言ってやるべき方法があるにも関わらず、何もしないと後悔や時によっては罪になることも・・・。
 すなわち刑法第218条(保護責任者遺棄等)に、「病者等を遺棄し又はその生存に必要な保護をしないときは・・・」がしばしば議論にのぼります。
 もっとも裁判所の判断は、「無価値の治療はこの限りにあらず。」のようですが・・・。
 いづれにしても、判断能力があるうちに自分の終末を一度考えておくことも大切なことかもしれません。