アベノミクスと財政問題

日 時 平成25年6月8日(土)
場 所 芦屋市民センター
講 師 滝川好夫氏(神戸大学教授)
 今回のセミナーはアベノミクスのうち「機動的な財政政策」に
焦点をあてたものでした。
 現在の日本は「財政赤字」と言われており、その内容は景気
の波によって変動する循環的要因よりも、大半が社会保障費
に見られる構造的要因であり、景気が良くなったとしても直ちに
収支が改善されることは少なく、年金等にも手をつけ構造改革をしなければ改善はむつかしい状態です。
 したがって安倍政権は、骨太の方針の中で「聖域なき改革」と云々しているのもそのためです。
 昨年度の基礎的財政収支(国債という借金を棚上げし、生活だけを考えた場合)の数値は、「税収(40)+税外(8)ー政策的経費(71)=△23兆円」で、政府はこの赤字を2015年には「半減」させ、2020年には「0」にしたい意向です。(それでも国債という借金は減りませんが・・・)
 国債の発行高は世界でもダントツですが、これが危機的にならないのは投資家のほとんどが日本人であるからで、すなわち「国内での貸借である」ことと「負担(増税)の余地がある」ことで各国は安心しており、今のところ国際問題にはなっていません。
しかし国内での国債の消化しうるのもせいぜい2025年位までと言われています。
 したがってアベノミクスの財政政策も足元(短期)の政策であるのではと言えそうです。