中世丹波の猿楽

日 時 平成25年6月17日(月)
場 所 園田学園女子大学
講 師 久下隆史氏(園田学園女子大学講師)
 中世・丹波を拠点に活動した丹波猿楽についての講座でした。
 丹波猿楽には「本座」のほか、「梅若」「丹波日吉」「大法師」
「命王太夫」等があり、今回はその中から「八子太夫」について
具体的にお話しをお伺いいたしました。
 初代は八才で舞を舞った時に(天正15年)城主の佐野下総守
から「八子」の名をもらい、年貢も免除された由。(猿楽とは現在で言う能楽のこと)

その後八子太夫は道場河原で勧進猿楽を演じたり、近江国の
多賀大社で法楽の能を勤めています。
 また浦島子(浦島太郎)を祭神とする宇良神社(写真)におい
ても慶長元年に能を演じたとの記録があり、しかも初日・2日目
ともシテ(主役)を勤めていますが、これは同神社の楽頭職(能
を演じる権利)を持っていたことと関係があるようです。
 中世から近世にかけて活躍した八子太夫も八代・周蔵以降
プツンと切れており、伝承も残されていないとのことでした。