クラという交易システム

日 時 平成25年7月29日(月)
場 所 園田学園女子大学
主 催 シニア専修コース
 オセアニア地域のサンゴ礁の島々を中心に行われてきた交易を
クラと称するそうですが、この交易のメインは貝製品(貝ビーズの
首飾りや貝製腕輪等)で、サブとして食料や土器類も多少扱って
いたようです。
 貝製品は我々から見れば何ということはありませんが、この地域
の人々にとってはダイヤモンドにも、ルビーにも匹敵する宝物と位置付けられています。

ただこれらは実用的価値はなく、儀礼的価値しかありません。
 この交易を主催するのは首長で、彼は一夫多妻婚です。
 多数の妻を娶ることにより、その兄弟から大量のヤムイモを
収集出来るからで、このヤムイモがクラ遠征航海用カヌーの
建造費に変身いたします。(写真上)
 ヤムイモを贈答した義理の兄弟には返礼として交易で得た
貝製品(ヴァイグアという)が与えられます。(写真下)
 島ではこの貝製品を所持しないと一人前ではないのです。