日 時 平成25年8月29日(木)
場 所 池田泉州銀行講堂
主 催 TOYRO倶楽部
鎌倉時代に西大寺(奈良市西大寺芝町:写真)において授戒
活動を行った叡尊上人の人物像についてご教示いただきました。
西大寺は孝謙(称徳)天皇の発願によって建立された南都七
大寺のひとつで、奈良時代は隆盛を極めていましたが、平安時
代になって衰退し、これを鎌倉時代に叡尊が復興させました。
叡尊は興福寺の学僧慶玄の子で、戒律を復興させたことでも知られている人物です。
当時 戒(僧が僧になるためのもの)を授けられるお寺は、全国でも東大寺・唐招提寺と関東の薬師寺くらいのものでしたが、叡尊によって西大寺でも行われるようになりました。
執権・北条時宗の頃、元(中国)が日本に対し服属と朝貢を迫ってきたのですが、日本はこれを拒否したため、元(フビライ)の侵入を受けた際、叡尊は護国祈願を始めました。
正にその日に大風が吹いて蒙古軍が壊滅したことから、ますます名声を高めました。
鎌倉幕府も叡尊の名声を聞きおよび、関東に下向を求める使者が来ますが、彼は何度も辞退したものの、ついに62才の時に熟慮の末承知いたします。
そして北条一族だけでも、時頼・実時・政村達800人以上が授戒したと言われています。
因みに叡尊は90才で生涯を閉じるまでに戒を授けた者は、97710人であったそうです。