相依って命を為す

日 時 平成25年10月26日(土)
場 所 関西学院大学
主 催 西宮市文化振興財団
 ラストエンペラーとして知られる清朝の皇帝・愛新覚羅溥儀の
姪にあたる嫮生さんを主人公にした小説「流転の子〜最後の
皇女・愛新覚羅嫮生」の紹介と一部の朗読がありました。
 溥儀は醇親王家の長男として生まれましたが、2才の時に
清朝の皇帝に即位し、わずか6才で退位した人です。
 これに目をつけた日本は満州国の執政(後に皇帝)として迎えましたが、その溥儀の弟・溥傑が主人公の父親にあたります。(母親は政略結婚した嵯峨侯爵家の令嬢・浩です。)
 満州国は日本に支えられていましたが、ソ連の侵攻と大戦の敗北により崩壊してしまい、溥儀と溥傑は飛行機で日本へ亡命の途中にソ連に拘束されてしまいます。(後に中国へ引き渡し)
 一方 母・浩と主人公は艱難辛苦の後、やっとの思いで日本にたどり着くという有様で、結局 父と再開を果たすのに16年という歳月を費やすることになりました。
 後半は、小説の一部の朗読(満州国の崩壊〜新京脱出〜通化事件〜故国への帰還〜姉の心中〜父との再会等)がありました。
 日本の歴史に翻弄された嫮生さんではありますが、大切なことは物ではなく人であり、その人の愛によって生かされていることを信条に、今では普通の主婦として西宮で暮されているとのことです。