騎士になる方法

日 時 平成25年12月12日(木)
場 所 宝塚西公民館
主 催 宝塚市民カレッジ
 児童文学作家・岡田 淳の作品に対するモチーフについて「竜
退治の騎士になる方法」を題材に解説していただきました。
 この物語の主人公は、小学6年の康男(両親と姉の4人家族)
と同年の女子・優樹(母子家庭)です。
 優樹は毎日1人で寂しく夕食を食べていますが、ある日康男は
両親も姉も居ない日があり、自分で目玉焼き等をして夕食を結構楽しんでいます。
 すなわち、社会問題となっている「孤食」も楽しみに代えられると作者は言いたいのでしょう。
 また学校では卒業をまじかに控え、卒業記念作文「将来の夢」の宿題が出されます。
 ある時、異界の中で2人は竜退治の騎士に出会い、どうしたら騎士になれるかと聞いたところ、騎士は①毎日学校のトイレのスリッパを揃る、②それが出来れば次の課題が見つけられる、③課題が見つけられれば騎士になれる・・・と話します。
 2人は理解に苦しみますが、作者は①は人の気持ちになる、②は今という時を自分で考えて生きる、③はその積み重ねにより「将来の夢」に一歩近づくと示唆しているものと思われます。
 15年後、女優となった優樹は康男に「どう、騎士になれた?」と聞き、サラリーマンの康男は「ぼちぼち、ね。」と答えるシーンが印象的です。