日 時 平成26年1月9日(木)
場 所 宝塚西公民館
主 催 宝塚市民カレッジ
表題の女主人とはかつて三井物産や三菱商事をはるかにしのぐ
日本一の商社「鈴木商店」の夫人・鈴木よねさんのことで、作家・
玉岡かおるさんの「お家さん」に紹介されている女性です。
「お家さん」とは商店に根づいた呼称で、間口の小さい店や新興
の商売人など小商いの女房に用いられるのではなく、土台も来歴
も世界にそれと認められる家の女主人にのみ許される呼び名であるとのことです。
したがって妻でもなく奥さんでもなく、ましてやて店員の将でもなくて、それは彼らの依るべき場所そのものであり、動かず働かずただ軒の庇を彼らのために広げ、大きさを用意してあげる存在とのことです。
鈴木商店は神戸にあって砂糖や樟脳でその名を世界に知らしめましたが、大正7年の米騒動で本社が焼き討ちされ、昭和2年の金融恐慌でついに破綻してしまいました。
鈴木商店の弱点は、他の商社と異なり「銀行を持たず、株式会社でなかった」ことでしょう。
ただ本体は倒産しましたが、関連企業(神戸製鋼所・帝人・双日・日本製粉・三井化学・サッポロビール・・・等々)は今でも活躍しており、その魂は現代にも引き継がれていると言えます。
番頭・金子直吉の言葉の「国がやらなければ鈴木がやる。お家さんのためではなく国のためにやる。」の心意気が印象的でした。