「反逆」についての考察

日 時 平成26年8月7日(木)
場 所 宝塚西公民館
主 催 宝塚市民カレッジ
 荒木村重を扱った遠藤周作の「反逆」について、そのエキス
をご教示賜りました。
 ストーリーは、織田信長の非情さに謀反を起こした村重の
反逆を描いたものです。
 村重は信長を裏切り、村重の家臣の中川清秀や高山右近は
村重を裏切るなど、登場人物は様々な裏切りを行う中、妻のだしと家臣・竹井藤蔵は裏切りませんでした。
 妻・だしは信長の側室の吉乃の娘(前夫との)とされており、村重が有岡城を脱出した後もこれを決して恨まず、毅然と処刑されましたし、藤蔵は村重の逃亡により子供を含めた650人の犠牲や奥方等30人の処刑を見て、毛利に居る村重に出陣を促した忠臣とされています。
 なお竹井の系統は、遠藤の母の実家に繋がっている由でした。
 遠藤は母や伯母の影響もあって夙川の教会で洗礼を受けた敬虔なクリスチャンではありましたが、「踏絵」にもあるとおり生き残るために仏教を信じているフリをしてキリスト教を信仰する人々(隠れキリシタン等)をも許す心を持っていたようです。
 ルカによる福音書によれば、イエスは一番弟子のペトロでさえ自分を否としたことがあってもこれを許したとあり、妻・だしもまた”永遠の同伴者としてのイエス”だったのではとのことでした。