摂津名所図会にみる今と昔

日 時 平成26年10月3日(金)
場 所 池田泉州銀行講堂
主 催 TOYROクラブ
 名所図会(めいしょずえ)とは、江戸時代後期に刊行された
通俗地誌(旅行ガイドブック)で、挿絵が豊富で平易であった
ため、庶民にたいへん人気があり、その背景には旅行の大衆
化等があったようです。
 お話しのベースは「西国名所図会」「摂津名所図会」でした。
 因みに、「図→絵」「会→集める」で、「図会→画集」の意味であるとのことです。
 登場する名所は、神社仏閣・塚墓・名木で全体の3分の2を占め、実にその80%が現存(変貌はしているが)している由です。
 具体的に名所図会に出てくる阪神間の場所をいくつかご紹介しますと・・・・・
 「尼ヶ崎・大物の湊」(庄下川や石垣等は存続)、「西の宮」(甲山は不変、斜面は市街化)、「須磨・明石」(変わらぬ海岸林、塚墓も存続)等々。
 なお阪神間の有名神社は、「生田」「広田」「長田」等で、いづれも「田」が付いていることからこの辺が田園地帯であったことがうかがえます。
 また昔「六甲山」は現在より貧弱で禿山に近い状態であったようです。
 しかし結局 今も昔も骨格は変わらず、まさに「国破れて山河あり」の様相なのでしょう。