「古事記」と天武天皇

日 時 平成26年10月12日(日)
場 所 武庫川女子大学
主 催 阪神電鉄
 「古事記」の編纂につきましては、天武天皇が太安万侶に命じ
たとするのが定説です。
 天武天皇は壬申の乱に勝利し、即位したものの基盤はまだ
安定しておらず、当面の目標は①りっぱな都を造る(藤原京)、
②歴史書物を作る(記紀)、③法律を作る(大宝律令)でしたが
存命中にはいづれも完成を見ませんでした。
 ただ「古事記」に関して言えば下書きが出来ており、これを天皇の権力によっていくらか変えられたのではと思われる節があるとのこと。
 いくつかの例、たとえば「神話」につきましては、アマテラスを最高神であり、皇祖神化していること。
 そして「国生み」ではイザナギ・イザナミが最初に本州ではなく淡路島をつくりますが、これは乳母の家系が海洋民であることに起因している由。
 因みに天武の皇子時代の名は「大海人皇子」と海に関係のある名になっています。
 なお「高天原」を天空の神の住むところとしているのも天武の意思で、中国・漢の「水経注」に出てくる「皇天原」をもじって命名させたのではないかとのことで、さらに都にある「天の香具山」も高天原から降りてきた山とも位置付け聖化もしているとのことでした。