村上春樹の「ノルウェイの森」

日 時 平成26年12月11日(木)
場 所 宝塚西公民館
主 催 宝塚市民カレッジ
 数年前からノーベル賞候補と言われている村上春樹氏の代表作
「ノルウェイの森」に関するお話しです。
 氏は今迄に群像新人文学賞・野間文芸新人賞・谷崎潤一郎賞・読
売文学賞・世界幻想文学大賞を受賞、外国でもフランツカフカ賞・エ
ルサレム賞・カタルーニャ賞を受賞しており、特にカフカ賞の受賞者
の多くが後にノーベル文学賞を受賞していることから、氏もまた期待されているわけです。
 中でも関西人が受賞を期待しているのですが、これは氏の経歴が 京都生まれ→小学校が西宮→中学校が芦屋→高校が神戸・・・と関西育ちのためだからでしょう。
 さて「ノルウェイの森」ですが、これは100%恋愛小説(リアリズム小説)であって、累計で1000万部を超えるベストセラーとなり、実に30ヶ国以上で翻訳されているのだそうです。
 内容は、37才の僕が学生時代を回想するもので、友人のキズキが高校の時に自殺をし、その恋人の直子と交流を持つも、彼女もまた自殺してしまいます。
 直子は僕を必要とはしていましたが、僕を愛していたわけではなく、自己治癒的と言えそうです。
 この本の表紙(上・下巻)は、一方が赤地に緑字、他方が緑地に赤字ですが、これは赤が生命力を、緑が森の中の死を表現しているとかで、生の中に死が、死の中に生がある意味であるとのことでした。