源氏物語とベートーヴェン

日 時 平成27年2月2日(月)
場 所 芦屋市民センター
主 催 芦屋公民館
 文学は言語を通じて、音楽は聴覚を通じて人に訴求する芸術で、
「暖かい色」(視覚)や「明るい響き」(聴覚)という表現で感覚器官
と結びつけてくれます。
 今回は「源氏物語」のいくつかの場面から感じる感覚をベートー
ヴェンの音楽(ピアノソナタ)と結びつけるという試みでした。
 講師は文学博士ではありますが、ピアノを趣味とされておられ、お話しとピアノ演奏の講座でした。
 桐壷帝の子として生まれ、幼くして母と死別した源氏は様々な女達と逢瀬を重ねて情熱を発散させます。
 そのうちの一人が夕顔で、ある時廃屋に連れ出しますがその夜夕顔は物の怪に取りつかれ急死します。
 夕顔の遺体と対面して悲しむ光源氏を表現した曲として「ピアノソナタ14番」が演奏されました。
 夕顔を失った源氏は療養のため北山へ出かけ、少女・若紫(後の紫上)を見つけワクワクします。
 光源氏がその若紫を垣間見る場面を連想した曲が「ピアノソナタ25番」だとか。(演奏)
 次に演奏されたのが「ピアノのためのソナチネ」(講師自身の作曲)でした。
 これは死別した母に似た父帝の女御・藤壺の死を悲しむ場面を想定した曲であるとのことです。
 最後は最愛の人・紫上に先立たれて出家を決意する源氏の心情にピッタリな曲の紹介でした。
 すなわちベートーヴェンの「ソナタ31番」の第3楽章を聴かせていただき、お開きとなりました。