日本の貨幣の歴史

日 時 平成24年3月13日(火)
場 所 西宮中央公民館
講 師 塩川幸男氏(造幣博物館)
 日本では当初「和同開珎」(708年鋳造)が最初の貨幣と
いわれていましたが、去る平成11年に明日香遺跡から
「富本銭」が発見され、これの鋳造が683年と言われている
ことから、今ではこれが最初の貨幣となっています。
 「富本」とは、「国・民を富ませる本(もと)」の意とか。
 その後(奈良・平安時代)約250年の間に、金貨1・銀貨1・銅貨11種類が誕生いたしましたが、平安後期・鎌倉・室町時代には日宋貿易の関係で「宋銭」を輸入して流通するようになりました。
 そして室町幕府と明との間で勘合貿易が始まりますと、「明銭」が輸入されて特に「永楽通宝」(写真)が全国に広がります。
 戦国時代は各武将が各々貨幣を発行しますが(有名なのは武田信玄の「甲州金)、やがて豊臣秀吉の天下統一により「天正長大判」(世界最大級)が発行されました。
 江戸時代に入りますと徳川家康が貨幣制度を統一し、明治時代になると日本で最初の貨幣法規「新貨条例」が制定されます。(単位:円・銭・厘となる。)
 そして大正時代を経て、昭和62年に「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」が定められ、管理通貨制度に即した法整備が行われました。