日 時 平成29年5月16日(火)11時30分〜13時
佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ「フィガロの結婚」の
今夏の上演に先立ち、そのプレ・レクチャー(第1回)が
ありました。
ここでは、このオペラのオモテとウラを理解することに
よって存分に楽しめるとの主旨の解説でした。
さてオペラは当初、モーツアルト(作曲)やダ・ポンテ
(台本)は上演の許可を取るのに一苦労した由にて、
これはフランス大革命を起こしたと言われる戯曲(ボーマルシェ)であったからだそうです。
さてまずオモテのことですが、物語は夫の愛が去ったのを悲しんだ伯爵夫人が才知によって伯爵の愛を回復するという話しです。
このオモテのストーリーは後日の「こうもり(ヨハン・シュトラウスⅡ)」や「アラベラ(リヒャルト・シュトラウス)」等のウィーンオペラの伝統になっていきます。
次にウラの部分ですが、実は伯爵とスザンナ(小間使いでフィガロの結婚相手)はすでにできていて、伯爵を挟んで伯爵夫人とスザンナは三角関係にあるということや、ケルビーノ(10代の書生)をめぐる伯爵夫人とスザンナの関係もまたエロチックなのです。
したがって、フィナーレは伯爵夫人が伯爵の愛を回復したやに見えますが、観客はこれは一時的で伯爵はまた浮気をするだろうと予想しながら帰途についたのではないでしょうか。・・・ということでした。