宮廷文化の華・陽明文庫

日 時 平成24年3月15日(木)
場 所 ルナ・ホール
講 師 名和 修氏(陽明文庫)
 宮廷貴族・近衛家が長年にわたり保管管理してきた古文書や
古美術工芸品をこのたび京都において展示されるに伴い、開催
されたセミナーです。
 近衛家は五摂家筆頭の家柄と言われています。
 中臣鎌足(614〜669)が大化改新により天智天皇から藤原性を
賜ったことに始まり、息子の不比等の次の代に、北家・南家・式家・京家に分かれますが、中でも北家は嫡流で、かつ最も繁栄いたしました。
 特に道長(966〜1027)の頃に全盛し、摂政や関白の職に就くことにより実権を掌握し、その後、九条家・鷹司家・二条家・一条家に分散されますが、近衛家は常に藤原氏の宗家としての位置を保ち続けます。
 家名は、邸宅が近衛大路室町にあったことにより近衛家と称し、古文書等を保管している陽明文庫の名は、大内裏の十二門のひとつに由来しています。
 同文庫には、国宝8件・重要文化財60件他がありますが、中でも藤原道長による「御堂関白記」は正にその栄華の絶頂期に自筆で書かれた千年前の日記で、古文書として貴重であるばかりでなく、歴史的資料としても非常に高い評価を得ています。
 「王朝文化の華・陽明文庫名宝展」は、4月17日〜5月27日まで京都国立博物館で開催されます。