日 時 平成29年8月25日(金)13時30分〜15時
絵画の「なぜ」を考えるセミナーがありました。
前半はダ・ヴィンチの「最後の晩餐」で、これはイタリア
ミラノの教会(の食堂)の壁画として描かれているものです。
今までの「最後の晩餐」はジョット等に見られるように
イエスを中心に食卓を囲んだ図柄でしたが、ダ・ヴィンチは
これを一列にしました。
なぜでしょうか、それはこの絵が食堂の壁画であり、食事を
する修道僧と向き合った構図だからで、イエスが「この中に裏切者が居る」と言った瞬間を描いています。
後半はミケランジェロの「最後の審判」で、この絵はバチカンの
シスチーナ礼拝堂の壁に描かれているものです。
人は亡くなったらイエスの審判を受けるわけですが、イエスは
その人の前世の行いから天国行か地獄行を瞬時に決めます。
絵の上部は天国で下部は地獄ですが、その境界がはっきり
しません、なぜでしょうか、それはバチカンの免罪符販売を契機
とした宗教改革に配慮したもので、地獄からも天国へ救われる
(その逆も)としたメッセージを密かに挿入したからでしょう。