日 時 平成29年9月16日(土)13時30分〜15時30分
「細雪」や「春琴抄」等で知られる文豪・谷崎潤一郎の晩年の
作品である「瘋癲老人日記」に焦点を当てたお話しです。
「フーテン」と言えば「フーテンの寅さん」のイメージ(ヒッピー)
を持ちますが、ここでの「フーテン」は老人のエロチシズムの
感覚です。
主人公は77才の督助という老人で、モデルはもちろん谷崎
本人であり、この老人が息子の嫁・いつ子との関係を日記風
に書いたものです。(主人公は自分のことを「予」と表現している。)
老人は性的不能者で、妄想の快楽を求めて女性としてのいつ子に
関心を持ちます。
いつ子がシャワーを浴びているのを見て楽しむ、いつ子の食べ残
しを食べて喜ぶ、いつ子の足をなめて快楽にふける等いたします。
いつ子は悪女だが演技も出来るためたとえばキスをさせる代りに
キャッツアイ(300万円相当の宝石)を買わせたりもします。
そのような老人の快楽を綴る一方、老人の医者の病床日記等を
登場させ、現実の世界へと戻してもいきます。