三皇五帝と夏王朝

日 時 平成29年11月13日(月)15時〜16時30分
 中国史上最初の王朝である夏王朝についてのお話しです。
 「中華人民共和国」という国名にも使われている「中華思想」は
自国が世界の中心であるとする中国の重要な思想のひとつです
が、これは伝説の時代から統一帝国成立の過程である古代に
その原形が生まれたようです。
 まず「三皇(神話の時代の神)五帝(歴史の時代の始まりの聖
人)」ですが、これは伝説上の名君を指すと言われており、六国
を平定した秦の始皇帝はそれまでの「王」を廃止し、「皇」と「帝」を組合せ「皇帝」の称号を作りました。
 次に夏王朝ですが、文献によれば夏王朝の始祖は「兎」という人です。
 彼は黄河の治水事業を成功させ、帝位についたものです。
 兎は王になると、武器生産の停止、宮殿増築の先送り、諸税の免除、行政の簡略化、河川の整備、草木の育成、倹約政策等々を次々と実施していきました。
 兎の崩御後 子の啓が継承したので中国史上初の王位世襲となり、世襲王朝が成立します。
 結局 夏王朝は17代・桀王まで続きますが、桀は仁徳に欠け、武力で諸侯や民衆を押さえつけたので、ついに殷によって倒されてしまいます。
 なお夏王朝は実在した国か否かですが、現状では二里頭遺跡が有力とされています。
(写真は、二里頭遺跡から出土した王の象徴とされている「龍の杖」だそうです。)