日 時 平成30年5月24日(木)14時〜15時30分
芦屋市立美術博物館において「万葉のセゾン(saison)〜奈良県
立万葉文化館・季節のコレクション」と題した展覧会が行われており
その開催を記念して見どころについて同館の学芸員から解説をして
いただきました。
今回の展示は、それぞれの季節をテーマに描かれた作品を春夏
秋冬の順に紹介している由にて、万葉集の和歌と絵画を併せて掲
示しているとのことです。
まず最初に説明していただいたのは、那波多目功一の「訪春」で、モチーフとなった歌は、「正月立ち 春の来らば かくしこそ 梅を招きつつ 楽しきを径め」(正月になり新春がやって来たら、このように梅の寿を招きながら楽しき日を尽そう)です。<夏省略>
次に秋の絵画として平山郁夫の「額田王」の紹介があり、モチーフは「君待つと わが恋ひをれば わが屋戸の すだれ動かし 秋の風吹く」(君を待つと恋しく思っていると、わが家のすだれを動かして秋風が音をたてる)です。
最後の冬の絵は片岡球子の「富士」で、歌は「田児の浦ゆ うち出でて見れば 真白にそ 不尽の高嶺に 雪は降りける」(田児の浦を通って出てみると、真っ白に富士の高嶺に雪が降っていたことだ)でした。
なお所蔵先の奈良県立万葉文化館は明日香村に2001年に開館され、主なコレクションは「万葉集」の歌に取材して描かれた「万葉日本画」で、154点もあるとのことでした。