尊皇攘夷・敬天愛人

日 時 平成30年7月23日(月)13時30分〜15時
 今年は明治維新150年にあたる年です。
 そこで江戸〜明治にかけて活躍した人々はどのような教育に
支えられて活動していたのかを検証するセミナーでした。
 まず最初にご紹介いただいたのは漢文で書かれている徳川
家康の一代記「逸史」で、この作者は中井竹山と言われていま
すが、これが世に出たのは竹山の子・蕉園が江戸に下った際
に親交のあった儒者達に見せたのが契機になった由です。
(後日、江戸幕府に献上されました。)
 次に頼山陽による国史書「日本外史」が紹介されましたが、これも漢文で記された源平から徳川までの武家盛衰史です。(これも松平定信に献上されました。)
 また徳川光圀によって事業化された「大日本史」や杉田玄白らがオランダ語から漢文に訳した「解体新書」(写真)にも言及されました。
 そして幕末の水戸藩士・藤田東湖の「尊皇攘夷」論が紹介されましたが、これは元々中国古代の周王朝において周王室を尊敬し、周辺の夷狄を打ち払ったことに起因しているとのことです。(中華思想)
 最後は西郷隆盛の「敬天愛人」についてでしたが、これは西郷が沖永良部島へ流罪の際、川口雪蓬(陽明学者)から書と詩を習ったことが影響しているとされています。
 その意味は文字通り、「天を敬い、広く人を愛する」博愛の精神です。